青木歯科日誌2011                    高知市青木歯科TOP

07〜08年の日 、09〜10年の日誌

 

12/10/31 水曜日 晴れ

 日曜日にNHKの将棋番組に登場した橋本嵩載八段のインタビューに大笑い。元ネタがインターネットに出ており、関連した動画も沢山。棋士は今やお笑い芸人顔負けのパフォーマンスをやっており、大いに楽しませてくれます。

12/10/14 日曜日 晴れ

 非定型歯痛で高名な井川雅子先生の講演。著書とほぼ同じ内容であったが、写真がカラーで、帯状疱疹のつぶれたところなどがよくわかりました。四国の紹介先として、徳島大学の松香芳三先生を挙げられた。非定型歯痛に対するトリプタノールは症状が消失してから1年間は同量を継続することが重要であり、減量すると再発し、次第に治りにくくなるとのことでした。

12/10/12 木曜日 晴れ

 山中教授のノーベル賞授賞理由となった研究アイデアには驚かされます。山中教授は、パソコンを使って初期化に必要な遺伝子を24個にまで絞った。しかし、本当に必要な遺伝子を特定するには膨大な組み合わせを実験する必要があった。しかし、その24個を全部組み込み一つ一つ抜いていくことによって、本当に必要なものを探し当てるといいうアイデアを工学部出身の高橋講師が提唱したのだという。遺伝子の組み込みが簡単ではないこと、全部組みこむとかえってうまくゆかないだろうという医学、生物学の常識にとらわれなかったことが画期的な研究成果につながった。

 私は高知大学で生物学を専攻しました。分子生物学は渡辺先生(東京教育大)の特別講義で教わりました。渡辺先生がワトソンの『遺伝子の分子生物学』の分厚い原書を手に持って「アメリカの学生はこれくらいの本を一週間で読んでレポートを提出せよと言われる」とおっしゃられたことが忘れられません。とてもかなわないなあと思ったものでした。

12/09/21 金曜日 晴れ

 やっと雨が降らない日になった。いったい何日連続で雨が降ったのか?ところで、物理学や数学の最先端というのはすさまじい世界ですね。私が理解できるのは古代ギリシャ時代の数学、物理まで。高校で習った17世紀、ニュートンの時代の力学や微積分はもはや完全に忘れてしまいました。望月新一京大教授のABC理論を解明という記事を読んでの感想。

12/07/25 水曜日 晴れ

 ためしてガッテンでかみしめ癖(tooth contacting habit)が肩こりだけでなく、おならや腹が膨らむ原因になっていると放送していました。医科歯科大学の木野先生が登場し、診断法と治療法(習癖をなくす方法)を話していました。

12/06/06 木曜日 晴れ

 日色ともゑさんが案内役の番組(630日午後230分〜3時RKCで放送予定)の取材。日色さんは、有名人ぶることのない気さくなお人柄でした。当方は上がってしまい声が上ずってしまいました。日色さんは、電話の音で話が中断した折も、途中から中断前と同じ調子で話を始めるなどさすが女優さんだと感心してしまいました。歯科医は仕事をするとき舞台に上がったつもりでやらなければならないといわれます。しかし、それがなかなか難しくていまだ十分ではありません。今日はなるほどと大いに反省しました。

12/05/28 月曜日 晴れ

 昼休みに河原先生から電話をいただいた。名刺を交換した人にだけにはお礼の電話をしているとのこと。講演会の講師から電話をもらったのは初めてでちょっとびっくり。河原先生の人付き合いの良さというか、義理堅さというかまめさというか。これが、若い時の「60歳になったら無医村に行こうと決めた」ことを実際に行った先生の人柄の核心にあるのだろうと思います。とてもまねはできませんが、情熱あふれる歯科医がいることを実感しました。

12/05/27 日曜日 晴れ

 土曜日は松山で、今日は10時から安心センターで講演会に出席しました。講師は、松山では下川公一先生、高知では河原英雄先生と九州歯科の大先輩のお二人。河原先生のスライドには下川先生と一緒に田中久敏先生の総義歯の講習を受けている写真がありました。演題は『咬合治療の勘所(患者さんの悩みに答えて)』と『噛む』。歯科のもっとも重要な目的である咀嚼機能の回復を図り、同時に審美性、若さを取り戻すことでした。お二人とも極めてオリジナリティの高い臨床を展開し、多くの難症例の患者さんを幸福にしている事例をビデオで実証していました。素晴らしい。すごいとしか言いようがありませんでした。

12/02/23 木曜日 雨のち晴れ

 先日の日経新聞で「食後すぐの歯磨きはNG 虫歯予防の新常識」を読み、びっくりした方が少なくなかったのではないでしょうか?「一日3回、食後3分以内に3分間磨く」という常識が長い間信じられてきたのですから。予防歯科の先進国の北欧諸国ではずいぶん前から、食後すぐのブラシはよくないとされてきました。30年ほど前大阪で、イギリスの口腔生理学者ジェンキンスの「食事の前に磨いたほうがよい」という講演を聴いたことがあります。ステファンカーブというのがありますが、プラークのない歯で食事をすれば、食後口腔内が酸性に傾くことを避けることができるというのが、ジェンキンスの理論的な根拠になっていました。なるほどとおもいましたが、自分自身も実践しませんでしたので、患者さんにもお勧めすることをしませんでした。今後は積極的にお勧めしようと思います。

11/10/31 月曜日 晴れ

 1981年に開業してからずっと「総合的な治療には矯正が必要なケースが少なくない。なんとかしなければ」と思っていました。しかし、矯正は歯科技術の中で少し毛色が違ったところがあり、本を読んだり、短期のセミナーを受講しただけではものにならない分野だとも感じていました。講師を呼んで実習をする勉強会を作ろうと思い立ったのは、1987年(だったと思っていましたが、88年だったかも)、中村の本田先生らが九州大学の高浜靖英教授を講師に招いて大方で開催した矯正の講演会のときでした。休憩時間に、曙町の高橋純一先生に打ち明けると「先生が立ち上がってくれるのを待っていました」と賛同してくれ、すぐに高橋先生の尽力で10人のメンバーを集めて勉強会が発足しました。講師は高橋先生が奔走し、日本歯科大の若手ナンバーワンの後藤尚昭先生に来てもらえることになりました。89年の4月から、毎月一回土日に比島の歯科医師会館で矯正の基本から教えてもらうことができました。私たちにとって幸いだったのは、当時、矯正治療はワイヤーを曲げるスタンダードエッジワイズ法からワイヤー屈曲の不要なストレートアーチ法に変わろうとしている時期でしたが、後藤先生は歯列矯正で高名な与五沢先生のスタンダードエッジワイヤー法を知るほぼ最後の大学人臨床家であったことでした。ワイヤーが曲げられないと、いざというとき対応が難しくなる場合があります。勉強会で、臨床で使用する何十倍ものワイヤーを曲げるトレーニングをしたことが私たちの矯正治療を支えてくれている気がしています。私自身は15年ほどで勉強会から離れましたが、きっかけを作っていただいた本田先生、奔走していただいた高橋先生、東京から毎月来ていただいた後藤先生、そして勉強会に参加していただいた先生方に対する感謝の念は忘れることができません。

11/10/26 水曜日 晴れ

 北杜夫が亡くなった。『どくとるマンボウ航海記』を読んで大笑いしたのは高校生だったか高知大に入ってからだったかは忘れてしまいましたが、かなり長期間かぶれていました。とりわけ父親の斉藤茂吉のユーモアあふれるエピソードが描かれている『昆虫記』は繰り返し読みました。高知大文理学部4年生の秋、医学部に入りなおそうという同級生の高森道雄君の誘いにすぐに応じた素地は北杜夫の著作で培われていた気がします。『白きたおやかな峰』を最後にしばらく離れていましたが『母の影』や茂吉の評伝4部作が出たころから再び読むようになっていました。先日も、阿川弘之との対談集『酔生夢死か、起死回生か。』を読んだばかりでした。

※北杜夫は先日文化勲章をもらった某作家などよりはるかに日本文化に貢献したとおもいますが、文学賞以外の賞は受賞していません。どうやら勲章は辞退していたようです。(週刊新潮の記事による)

11/10/06 木曜日 晴れ

 診療所の建物が高知市の都市美デザイン賞を受賞しました。艸建築工房の平山、横畑氏、新進建設の山下さん、ナノクリエイティブの走崎さんたちのおかげです。家づくりの世界は、20数年前とは様変わりしていました。機材の進歩、建築基本法の改正で、基礎工事からして全く違ったものになっていました。ささやかな受賞祝いの会で、設計担当の横畑君と現場監督の山下さんと絶妙な関係があって今の建物ができたのだと痛感しました。設計士が入ると、施主の希望を取り入れて、具体的な提案をしてもらえます。さらに、住みだしてからの細かな修正の相談にのってもらえるのもありがたい。これから家づくりを考えられている方は優れた設計士にご相談されてはと思います。

11/10/5 水曜日 雨

 オーストラリア人の患者さんがお見えになった。オーストラリアでは医療保険に歯科が含まれていないため、歯科治療費は極めて高いのだという。日本の保険にも入っていないとのこと。歯石除去と小さな虫歯、親知らずの抜歯の治療費をたずねられたので、日本の保険10割負担の値段を教えると「安い!安い!全部やりたい」とのこと。通訳の女性には「どうして日本の歯科治療費はこんなに安いんですか」と質問されてしまいました。歯石をとって、コンポジットレジンを詰めるとIm so happy. This is Christmas Present. Thank you so much.と大喜びされてしまいました。3回ほどですべての治療が終わり「2年後の休暇にまた来ます」といって帰ってゆきました。オーストラリア人も歯科治療費がきわめて高額のためか、予防(家庭療法)の意識が高いようです。根の治療をした歯は一本だけで、それも破折が原因のようでした。

1/10/02 日曜日 曇り

 多くの有名女優らを治療している高名な山崎長郎先生の講演会。山崎先生の言葉で「ごみのような口」がオールセラミック、ジルコニア、インプラントなどを駆使して見事によみがえった症例が、笑いを誘う話術でプレゼンテーションされ大変刺激的な講演会でした。これからはジルコニアとCAD/CAMの時代が来るとの予言されていました。世界でも指折りの歯科医師の講演を聴くことができ大変有意義な一日でした。

11/09/29 木曜日 曇り

 『ためしてガッテン』で不眠、めまい、耳鳴りを取り上げていました。いずれも片頭痛と関連しており、脳の過敏状態が原因であるため、非定型歯痛に効果があるといわれる抗うつ剤やテグレトールが効くとのこと。顎を動かす筋肉が痛い顎関節症T型は緊張型頭痛の一つだといえます。この場合、ほかの原因の可能性を否定するために、一度頭痛専門医の診断を受けたほうがよいとお勧めしています。

歯科で多いのは上顎洞炎(副鼻腔炎の一つ)と上顎の歯の痛みが関連しているケースです。奥歯の神経をとった場合いつまでも痛みが引かないことがありますが、その中には歯科の問題ではないケースが少なからず含まれているようです。幻影痛の一種の場合もあるのではと疑っています。

 また、『総合診療医』ドクターGでは、不潔な口腔から細菌が血液中に入り、その細菌が心臓に付着して、感染性心内膜炎になったケースが取り上げられていました。根の先の病気や歯周病を放置すると重篤な全身の病気を引き起こす可能性があります。まず口の中を清潔にすることがとても大切です。

11/09/19 月曜日 晴れのち雨

笑うと善玉の腸内細菌が増え、免疫力が強くなるといいます。金曜日の『ペケポン』に登場した末吉くんの芸には腹を抱えて笑ってしまいました。芸とはいえあそこまで低姿勢になれるものでしょうか。「申し訳ございません」と言いながら這いつくばる姿にほとんど感動してしまいました。ペケポンメンバーからは「土下座じゃなくて土下寝」とか「泳いでいる」などと囃されていましたが。今日も笑うために録画を見ました。楽しい気持ちで眠れそうです。

11/09/11 日曜日 晴れ

 医療保険に関する講演会。講師は元厚生労働省の技官をなさっていたとのこと。歯科医療の質と診療報酬について質問しました。日本の診療報酬を先進国並みにするには、相当大きな財源がなければ実現しません。たとえば12%の金を含む金属をやめ、銀合金に統一するぐらいの思い切った策を実現しないと財源は出てこないと思っています。どうやら結局現状維持が精いっぱいになりそうです。日本の制度はすべていろいろな議論があって大きな転換はできないというのは、歯科医療にも通じます。

(参考)一橋大学教授の井伊雅子さんが、日本の歯科医療の問題点として()予防が保険適用できないこと()保険の歯科治療費が先進国平均価格の4分の1から約10分の1という大変低い料金に設定されているため、(一人当たりの)診療時間はみじかくなり、診療の質が低いことの二つをあげています。「対人口比で明らかに歯科医師は過剰なのですが、高い技術を十分に時間をかけて患者に提供してくれる歯科医師を探すのは大変難しい」とも。そして、ワシントンDCに住んでいたときに通院していた歯科医師に「最先端の歯科技術は日本が世界一だと思うが、患者として接する日本人の歯の状態は本当にひどい人たちがほとんどだ。一般の人たちはなぜ日本の高い技術の恩恵をほとんど受けていないのだろうか」とたずねられたというエピソードを紹介しています。(日本歯科医師会雑誌五月号)

11/08/23 火曜日 晴れ一時雨

 ある病院からの紹介状に身体表現性障害との診断名がついていました。上の前に2本だけ残った歯が咬むたびに頭に響くので抜いてほしいとの訴えです。原因不明の痛みを訴え、抜歯になっている典型的なケースでした。歯科医はこの病気のことをもっと知る必要がありそうです。しかしながら、歯科医が「これは歯の病気ではなく、脳内の神経伝達物質の病気の可能性が高いです」と説明しても素直に心療内科を受診してもらえることは少なく、逆に頭がおかしいといわれたと反発されることのほうが多いと聞きます。ましてや効果が出始めるのに時間がかかる抗うつ剤を、のどが渇くなどの副作用に耐えて長期間飲み続ける方はほんの一部にとどまっているのではないでしょうか?次第に歯が少なくなり、その結果かむ力を受け止める歯が少なくなって咬合性外傷や歯根破折が起きてしまい、最後には総入れ歯になっているケースもかなりありそうです。この病気のことが広く知られることがこういった事態を防ぐために一番重要だと思います。

11/08/19 月曜日 晴れ

 今朝4時ごろ、奥歯と咬筋(かみしめると頬で膨らむ筋)が痛くて目が覚めてしまいました。右の奥歯がすり減り、咬み合せが悪くなっていたのをそのままにしていたところ、最近咬み合せについての本を読んでいるので自分の咬み合せに敏感になったのかもしれません、今朝がた歯ぎしりをしたようで、強い痛みと違和感が出てしまいました。歯を接触させないようにしてみましたが、寝ぼけていたので効果なく朝まで苦しみました。昼休みに副院長に咬合調整してもらうと、嘘のように痛みがなくなりましたが、咬合性外傷顎関節症T型での咬合の重要さを再確認しました。ちなみに私のかみ合わせは、上向いて静かに閉じると右奥が最初に当たり、そこから咬みこむと斜め前にスライドする状態(中心位での早期接触)でした。

 顎関節症は咬み合せとは関係がない、咬合調整は禁忌だという人もいますが、眠っている間に歯ぎしりをして歯や筋肉が痛くなる事を体験し、咬み合せと関係がない、咬合調整は禁忌というのはちょっとどうかと思います。『自分で見たもの以外は信用できない』という梅棹忠夫の言葉を思い出し、やはり咬みあわせは大切だと申し上げたいと思います。

11/08/02 火曜日 曇り時々雨

 ドーソンの『Functional Occlusionと木野孔司『完全図解 顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本を読む。対照的な内容ですが、前者は健康な咀嚼系のためには咬合がきわめて大切であるとしているのに対し、後者は顎関節症治療のためには咬合ではなくかみしめ癖(歯を接触させる癖TCH)を治すべきであると強調しています。この二つは矛盾しているようですが、ある種の咬合が歯を接触させる誘因になっているとすれば矛盾しません。ドーソンの講演会が京都と東京で二日ずつ開かれたのは1987年だったと思います。会場には海軍で一緒だったというビーチ先生もきており、切端咬合の臼歯部の修復に平たいクラウンを使っているスライドをわが意を得たという風に指さしている姿を覚えています。京都で教わったビーチクラウンは馬の蹄のような咬合面で、かむ位置は中枢で決まるというのがビーチ先生のご神託でした。

11/07/29 金曜日 晴れ

 続筆彦『顎関節症の臨床』1984、永末書店をよむ。864月に購入したもので、表紙の裏に「推論的知性の書!」とかいてあります。推論的知性というのは、カルロ・ギンズブルグの本からの引用のようですが、すっかり忘れてしまっていました。先日の症例がきっかけになって、昔読んだ顎関節症の本を何冊も読みかえしてみましたが、現在の地点から見て最も有用なのは、この本だと確信します。30年以上前に書かれたものですが、その推論的知性には脱帽するしかありません。改めてこの先生は天才だと感じます。関節窩(下顎窩)を上顎窩としている瑕瑾はありますが。残念ながらこの本は絶版になっています。

11/07/24 日曜日 晴れ

 愛知学院大学歯学部准教授稲垣先生の講演会。糖尿病と歯周病、タバコと歯周病についての詳しい説明がありました。当院のHPも書き換えなければと思いながら聞きました。とりあえず日本歯周病学会のHPをご覧ください。

11/07/21 木曜日 曇り時々小雨

 『ドーダの近代史』の鹿島茂の著作目録で発見し紀伊國屋に注文してあった『吉本隆明1968が届く。書き出しからして「そうなんだよね」とピッタリとくる。鹿島茂は1949年生まれで私と同い年。当時のことを思い出してしまいました。

 11/07/18 月曜日 台風6号接近で時々激しい雨

 女子ワールドカップでナデシコ日本が優勝したゲームを繰り返し見て過す。何回見ても感動する。

11/07/17 日曜日 晴れのち時々雨

 『ドーダの近代史』を読む。昔、東海林さだおの『もっとコロッケな日本語を』でドーダ学説を知ったとき、その軽妙さにうなったことがありました。しかし、それをほかの分野に適用してみようという人があらわれるとは想像することはできませんでした。しかるに鹿島茂は「ドーダ理論」は世界最強のグランド・セオリーだと喝破し、驚くべき日本近代史を書き上げてしまっています。明治維新から大東亜戦争の敗戦に至る歴史のみならず、現代日本社会や未来の日本まで射程に入る分析が冴えわたっています。その頭の良さに感服しますが、どうやらその冴えはフランスの課題論文式の論理展開で鍛えられた模様。高知の関係では中江兆民が取り上げられています。これはすごい本だと思うのですが、出版されてから一度も重版されることがなかったようです。アマゾンでは古本しか手に入りませんし、紀伊國屋オンラインで買った本は2007年の初版本でした。

11/06/23 水曜日 曇りのち晴れ

 「ためしてガッテン」で、歯周病菌と糖尿病の関係をわかりやすく解説していました。歯周病の予防には毎日の口腔清掃が一番大切ですが、ブラシだけでは限界があります。歯周病を引き起こすジンジバリスなどの歯周病菌は、歯と歯の間の深いポケットに潜んでいますので、ブラシだけでは歯周病菌の除去ができません。歯周病の恐ろしさを知った皆様はこれをきっかけにフロス〔すでに歯周病が進んでしまった方は歯間ブラシ〕をご使用になることをお勧めします。

11/06/09 木曜日 曇り時々晴れ

 昨日のNHK「ためしてガッテン」で、一口30回噛むと満腹感が起きるので食べる量が減り糖尿病予防や肥満防止に効果的だと放送していました。フレッチャイズム〔フレッチャーさんが提唱した〕と呼ばれてきた健康法のメカニズムが実証されたようです。健全な歯列を育成し〔小児歯科、矯正歯科〕、虫歯や歯周病を予防する。虫歯や歯周病を軽症のうちに治療し、不幸にも歯を失った場合は入れ歯やインプラントでよくかめるようにする歯科医の仕事の意義を再認識することができました。

11/05/15 日曜日 晴れ

 RKCの「おはよう高知」の中の「木と人・出会い館情報」の木の家を紹介するコーナーで医院の建物を取り上げてもらいました。〔取材は3月下旬〕禿げ頭をさらして恥ずかしい限りでしたが、上手に編集されており、さすがにプロの仕事だと感心しました。今回の建築を通じて、各分野のプロフェッショナルに相談し、任せるべきところは任せることで、いいものが出来上がるのだということを実感しました。歯科医療でもそうありたいものだとおもいます。そのためには、信頼していただけるように、日々精進しなければと痛感します。

11/05/09 月曜日 晴れ

 家を建てるにあたって行われた地盤調査の報告書に、昭和8年〔1933年〕ごろの地図がついていました。それによると、当時の久万川は紅水川と合流する一ツ橋付近で北に向きを変え西秦泉寺の南端にかけて大きく蛇行していたようです。岸之上工務店の南側に比較的大きな水路がありますが、どうやらあれは昔の久万川の名残のようです。今日、南海大震災時の液状化が気になり、ネットで検索していて昔の国土地理院の地図を発見しました。どうやら同じころの地図のようです。

11/04/27 水曜日 雨

 福島原発事故で放射線被ばくに関心が高まっています。とりわけCTはレントゲン照射量が多いのではないかと思われていますが、当院で使用しているCTの被曝量は0.02〜0.04mSVであり、小さなフィルムのレントゲン照射と同程度の照射量です。なお、放射線業務従事者〔妊娠可能な女子を除く〕の年間被ばく限度は50mSvです。放射線科の医師は他科の医師より長生きするというデータもある(Does radiation exposure produce a protective effect among radiologists? Health Phys. 1987 52:637-643ようで、低いレントゲン被曝は体の抵抗力を増強するという学説(ホルミシス効果)さえあります。

11/04/24 日曜日 晴れ

 奈良県の木原敏裕先生の講演会。歯科医療の本質は口腔の健康を取り戻し、それを維持していくことである。そのためにはまず診断(治療計画を含む)が大切であり、次に治療計画を実現するための技術の習得が必要である。現代歯科医療で最も重要な技術は矯正、インプラント、オールセラミックによる補綴の3つで、特に長持ちのキーポイントは矯正による前歯ガイドの確立だと強調していました。これらの技術を駆使してアンチエイジングを実現しているご自身の臨床ケースのプレゼンテーションがありました。大変刺激的な講演会でした。

11/04/07 木曜日 曇りのち晴れ

 今回の移転開院にあたっては50名を超える方々からお祝いの品をいただきました。心より感謝申し上げます。中には思いもかけない方からのものもありました。引っ越しを繰り返したせいで住所録が行方不明になり、お礼の電話もできず失礼になっている方も。(開業一週間(診療日は5日)で、初めて来院いただいた方が30人をこえるなど、おかげさまで順調な滑り出しです。今後もできるだけ多くの方に満足していただけるよう精進いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

11/03/31 木曜日 晴れ

 いよいよ明日開院です。今日はたくさんの方からお祝いの花や観葉植物が届きうれしい限りでした。ありがたく頂戴しましたが、あらためて、多くの方々に支えられているとことを認識し、感謝の気持ちでいっぱいです。〔施設紹介に写真を載せました〕。モリタによる機器の最終チェックも終わりました。新たな気持ちで、受診いただいた方に満足していただけるよう精進いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

11/03/29 火曜日 晴れ

 診療を再開する準備がほとんど整いました。今日は北環状線を隔てた南側にある駐車場のアスファルト舗装。RKCテレビおはようこうち 「木と人出会い館情報」の二回目の取材。塩田館長は様々なことに造詣が深く取材を離れて興味深いお話を聞くことができました。取材は3時間ぐらいかかりましたが、放送は5分程度ですので、拙い受け答えをカメラワークと編集でカバーしていただけるとおもいます。放送はRKCテレビで、51日と15日の日曜日(朝745分〜8時〕の予定だそうです。今回の移転建築で建築士による設計管理の重要さをしることができました。また、電気設備、上下水道空調設備などの進歩にも驚かされました。どの業界も日々努力して進歩していることがよくわかります。

ゼネコンとは元来英語のGeneral Contractorの略称だといいます。設計士が作曲家で、図面が楽譜だとすると、施工にあたるゼネコンは指揮者であり、下請け業者の方々はそれぞれのバートを受け持つ楽器奏者みたいなものかもしれません。今回の指揮者は新進建設の山下さんでした。思い描いていた以上に魅力のある建物、医院ができたと喜んでいます。関係した皆様に感謝申し上げます。

11/03/21 月曜日 小雨

 「木と人・出会い館」塩田館長の取材を受けました。高知放送で五月に放映されると思います。建築に興味のある方はご覧になってみてください。

11/03/14 月曜日 晴れ

 新宿で開業の林先生の講演会。インプラント治療することで噛めてお仕舞にするのではなく、さらに健康になってもらうために栄養と運動が大切であることを説明し、片足立ち1分やゴムバンドによる筋力増強の指導と栄養指導をしているのだという。大変示唆に富む講演会でした。

11/03/01 火曜日 雨のち晴れ

森克栄先生から電話をいただいた。この日誌の一部を印刷して森先生に渡してくれた方がおられるとのこと。森先生が大病を患われてからもう10年ほどたっただろうか。すっかり健康を取り戻されたご様子に安堵していましたが、まさかもう一度なまのお声を聴くことができるとは思っていませんでした。博多で森先生の講演を聴いてから30年以上になります。私の歯科医師人生に大きな影響のあった大先輩。お元気そうなお声を聴くことができ、もうひと頑張りしなくてはと気持ちが引き締まりました。

11/02/26 土曜日 晴れ

 高橋慶壮先生の『失敗回避のためのポイント』シリーズをよむ。根の治療と歯茎の治療についての著書ですが、テクニックにとどまらず、治療計画の立て方まで言及があり、久しぶりに面白く実践的な本をよみました。

11/02/19 土曜日 晴れ

 暖かい一日でした。西秦泉寺の建築現場の足場が取れました。一階が診療所になります。高知県産の木材を多用し、ちょっと目を引く建物になると思います。設計にあたってはフィジカルだけでなくサイコロジカルにも入りやすく親しみのある設計をお願いしました。木を多用することで希望していた以上の建物になりそうです。「木の家は呼吸する」と平山さん(艸設計工房)は言います。湿気を吸ったり放出したりすることで湿度を調整する機能があるとのことです。毎年のように変わる国土交通省の法令をクリアし、新しく開発される建材を取り入れてクライアントの希望に応えてゆく建築の仕事は、私たちの仕事に共通するところがあります。3月竣工の建物が多いとのことで、木材と断熱材が入手困難になった時期がありましたが、関係各位のご尽力でほぼ予定通り完成しそうです。高知県産木材を普通の2倍ぐらい使用したこともあってか、木と人・出会い館の取材を受けることになりました。

 『街場のメディア論』で知った『医療の限界』小松秀樹著を読む。なるほどと思う箇所があちこちに。

11/02/11 金曜日 雨のち晴れ

 現在アメリカ国内で歯科医療保険を持っていない国民は一億人、約三人に一人いる。貧困層では数百万人の子供たちが、治療しないままの虫歯を持っている。歯と貧困には深い関係がある。ほかの病気と違い、歯には自然治癒というものがないからだ。放置すればするほど虫歯は悪化し、口内で他の健康な歯も侵食してゆく。治療を先延ばしにするほどに費用は右肩上がりに上がり続け、やがてぼろぼろになって手が付けられなくなる。子供のうちに歯の治療ができなければ、大人になっても普通の職に就く可能性はかなり閉ざされるでしょう。「この国では、歯の状態は採用を大きく左右するんです。歯が欠けていたり、黒かったり、抜けている候補者はまず面接で落とされます」(『ルポ貧困大国アメリカU』106108ページ)。歯科に限らず、アメリカの医療費はきわめて高額です。日本では45日の入院でかかる盲腸手術の費用は30万円を超えない(自己負担は8万円程度)が、アメリカでは一日で170万円〜240万円(都市によって違いがある)かかるのだといいます。歯の根の治療は日本では1万円(自己負担は3000円)以下ですが、アメリカでは10倍以上の10万円程度かかるのだといいます。この40年間、日本の歯科医師はアメリカの専門医の治療を目標にしてきましたが、それはアメリカの一部の豊かな人々を相手にしたものであるようです。金持ちでなければまともな治療が受けられないアメリカも問題ですが、一方治療費が安すぎるため予防の観念が育たず、虫歯が多く不完全な根の治療が多発する日本も問題です。日本の医療が危機的な状況になってしまったことに対してメディアの責任が大きいというのは内田樹『街場のメディア論』。現役医師の立場で解決策を出しているのは北原茂美『病院がトヨタを超える日』。どちらも大変面白い。

11/01/16 日曜日 晴れ 移転開業のお知らせ

現在のビルで開業したのは19816月でした。それからおよそ30年。ご愛顧いただいた皆様方に心より感謝申し上げます。この間、ビルの名称は安田生命高知ビル→明治安田生命高知第二ビル→穴吹第18高知ビルと変遷し、同時期に入居したテナントはすべていなくなってしまいました。また、ご縁のあった大橋通や帯屋町のお店も何軒か姿を消し、ビル周辺も大きく変わりました。これまでご愛顧いただいた皆様方のなかには近隣からおいでになっておられた方も多く、ご迷惑をおかけすることになりますが、現在のビルでの診療は319日(土)までとし、41日から北環状線沿いで、イオン高知西方1キロメートルの西秦泉寺(にしじんぜんじ)に移転することになりました。

西秦泉寺では、駐車場を診療所の周囲と道を隔てた向かい側に用意します。また、レントゲンを照射量の少ない最新のものにするなど設備を充実し、より快適で安全な歯科診療のできる環境を準備中です。なにとぞご理解を賜り、今後ともご愛顧いただければ幸いです。

土電バスをご利用の場合は、中秦泉寺秦小学校前バス停徒歩5分(イオン行または加賀野井・宇津野行き)三園町バス停または東久万第二バス停徒歩5分(万々・福井行き)があります。